定期借地権付きマンションは、一般的な所有権マンションに比べて「価格が安い」「立地が優れている」「土地部分の固定資産税・都市計画税が不要」など多くのメリットがあり、都心部では一定の需要があると考えられます。
しかし、一定期間経過後は建物を取り壊して、更地返還することが決まっているため、築年数によっては売却困難になると予想されます。
今回は、定期借地権付きマンションのメリット・デメリットも踏まえ、売却の可能性についても考えていきたいと思います。
定期借地権とは
借地権は、1992年8月から施行されている借地借家法上の「普通借地権」「定期借地権」と、それ以前からある「旧法借地権」の３つに分類されます。
その一つである「定期借地権」は、借地期間に定めがある借地権のことで、借地期間満了時には土地を更地返還することが原則になっています。
この「定期借地権」には、一般定期借地権、建物譲渡特約付借地権、事業用定期借地権の3つがありますが、「定期借地権付きマンション」には「一般定期借地権」が利用されています。
「定期借地権付きマンション」とは
定期借地権付きマンションとは、地主から期限付きで土地を借りて建てられたマンションのことです。マンション購入者は土地の使用料として借地料を支払う必要があります。
借地期間が終了すると、建物を取り壊して更地にし、土地を返還しなければならないため、一般的な所有権マンションよりも20～30%程度安いと言われています。
また、定期借地権は第三者への譲渡・賃貸も認められているため、定期借地権付きマンションの購入者は、途中で売却したり、賃貸物件として貸し出したりすることも可能です。
「一般定期借地権」は契約期間が50年以上と定められており、マンションによっては60～70年の契約期間になっているようです。
ただし、契約期間には建物を解体して更地に戻すための期間も含められていますので、解体工事に2年掛かると想定すると、契約期間70年の場合、約68年間住めることになります。
「定期借地権付きマンション」のメリット
一般的な所有権マンションと比べると、定期借地権付きマンションには次のようなメリットがあると考えられています。
- 土地を所有しない分、購入価格が安い
- 都心部や利便性の高い場所に建っているケースが多い
- 土地にかかる固定資産税や都市計画税がかからない
購入価格が安い点も魅力ですが、定期借地権付きマンション最大のメリットは、通常では考えられないほどの優良立地という点です。「手放すには惜しい土地」だったので、地主は売却ではなく、借地を選んだと考えることができます。
マンションの場合、土地の固定資産税・都市計画税は、所有者全員の持分で按分するため、元々高額ではありません。大幅な減税とはならない事は知っておきましょう。
「定期借地権付きマンション」のデメリット
メリットも多い定期借地権付きマンションですが、一般的な所有権マンションにはない、下記のようなデメリットがあります。
- 購入時に「解体準備金」、土地を借りるための「保証金」「土地権利金」などが発生する
- 毎月の「地代」が必要となる
- 中古で購入する際は住宅ローンが借りにくい
- 借地権の残存期間が短くなると売却しにくい
フラット35は借地権でも融資可能となっていますので、銀行等での住宅ローン借り入れが難しい場合は、有力な候補となります。ただし、築年数が経過して借地権の残存期間が短くなっている場合は、担保価値の観点から、長期の住宅ローンが難しくなるので注意が必要です。
「定期借地権付きマンション」の売却は難しいのか？
定期借地権付きマンションは、借地契約の更新ができないため、契約期間が満了すると、賃借人の負担で建物を解体して更地にした状態で、地主に土地を返還する必要があります。
そのため、借地権の残存期間が短くなるほど売却が難しくなりますので、売却を検討されている方は、一日でも早く売り出すことをおすすめしています。
定期借地権付きマンションは、所有権マンションに比べて、担保価値を低く評価されてしまうため、住宅ローンの借り入れにも様々な制限が付いてしまいます。基本的に借地契約の残存期間が住宅ローンの返済期間の限度となり、金融機関によっては「定期借地権の残存期間が10年以上あること」などの条件が設定されている場合もあります。
上記の理由から、定期借地権付きマンションを売却する際は、一般的な所有権マンションよりも売却期間を長めに見積もっておく必要があります。また、引っ越しのスケジュールなども余裕をもって設定しておきましょう。
所有権マンションと比べ注意する点もある定期借地権付きマンションですが、いわゆる「一等地」に安く住みたい人には向いています。また将来、子どもへの相続を考えなくても済む人には、非常に有利な物件であるとも考えられますので、売却の際は、定期借地権付きマンションのメリットを上手にアピールしていきましょう。
また、定期借地権付きマンションの買い取りを積極的に行っている不動産会社もありますので、現金化を急いでいる方は「不動産買取」も検討してみることをおすすめいたします。
仲介手数料最大無料！尼崎市・伊丹市の不動産情報はハウジングステージ
仲介手数料半額！尼崎市・伊丹市の不動産売却・マンション売却はハウジングステージ
中古マンション売却相場価格・買取価格を瞬間査定！尼崎市・伊丹市マンションカタログ
