国土交通省が発表した令和5年地価公示によると、新型コロナの影響で弱含んでいた地価は、地域や用途などにより差があるものの、都市部を中心に上昇が継続し、コロナ前の水準に回復してきています。特に東京23区内、大阪市内などの都市部では中古マンションの値上がりが顕著で、売却した際に売却益が出るケースが増えているようです。
今回は、売却益が発生した際にかかってくる税金と3000万円特別控除について、確認しておきたいと思います。
不動産売却で利益が出たときの税金について
不動産売却によって、利益である「譲渡所得」が発生した場合に課される税金は「譲渡所得税」「住民税」「復興特別所得税」です。「譲渡所得」は、不動産の所有期間によって「短期譲渡所得」と「長期譲渡所得」に区分され、税率が変わるので注意が必要です。
譲渡所得とは
不動産の譲渡所得とは、土地や建物などの不動産を売却した際に得られる利益のことを指します。
譲渡所得の計算方法は以下の通りです。
収入金額−(取得費+譲渡費用)−特別控除額=課税譲渡所得金額
・収入金額:
土地や建物の譲渡の対価として買主から受け取る金銭の額をいいます。
・取得費:
売った土地や建物を買い入れたときの購入代金や、購入手数料などの資産の取得に要した金額を指します。
・譲渡費用:
土地や建物を売るために支出した費用を指し、仲介手数料、測量費などが含まれます。不明な場合は譲渡価額の5%とします。
・特別控除額:
土地や建物を譲渡した場合の特別控除額で、代表的なものに「3000万円特別控除」があります。
「短期譲渡所得」と「長期譲渡所得」と「税率」について
不動産の譲渡所得は、売却した不動産の所有期間によって「短期譲渡所得」と「長期譲渡所得」に分けられ、それぞれの税率は下記の通りです。
短期譲渡所得:
譲渡した年の1月1日において、その不動産を所有していた期間が5年以下のものを指します。
所得税 30% 復興特別所得税 0.63% 住民税 9% 合計 39.63%
長期譲渡所得:
譲渡した年の1月1日において、その不動産を所有していた期間が5年を超えるものを指します。
所得税 15% 復興特別所得税 0.315% 住民税 5% 合計 20.315%
ご注意いただきたいのは、不動産の所有期間に関する計算方法が、単純に購入した日から5年間を経過した日ではなく、「売却した年の1月1日現在で所有期間5年を超えている」ということです。
例を挙げると、2018年4月1日に取得し、2023年9月1日に売却した場合、実際の所有期間は5年5カ月となりますが、税額の計算上は、2023年1月1日現在で4年9ヵ月しか経過していないため、税率の高い「短期譲渡所得」になってしまいます。
居住用財産の3,000万円控除とは
居住用の不動産を売却して譲渡所得が発生した場合、不動産所有期間に応じて上述の税金が課せられますが、一定の要件を満たせば「3,000万円特別控除」を活用することができます。大きな節税につながる特例となりますので、十分に理解しておきましょう。
「居住用財産の3,000万円特別控除」とは、不動産売却で譲渡所得が発生した場合、一定の要件を満たすと受けられる控除の1つで、所有期間の長短に関係なく譲渡所得から最高3,000万円まで控除ができます。
特例の適用を受けるための要件は以下の通りです。
- 自分が住んでいる家屋または家屋とその敷地や借地権を売却すること。
- 以前に住んでいた家屋や敷地等については、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること。
- 住んでいた家屋または住まなくなった家屋を取り壊した場合は、その敷地の譲渡契約が、家屋を取り壊した日から1年以内に締結され、かつ、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること。また、家屋を取り壊してから譲渡契約を締結した日まで、その敷地を貸駐車場などその他の用に供していないこと。
- 売った年の前年および前々年に、3000万円の特別控除またはマイホームの譲渡損失についての損益通算及び繰越控除の特例の適用を受けていないこと。
- 売った年、その前年および前々年にマイホームの買換えやマイホームの交換の特例の適用を受けていないこと。
- 売った家屋や敷地等について、収用等の場合の特別控除など他の特例の適用を受けていないこと。
- 災害によって滅失した家屋の場合は、その敷地を住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること。
- 売手と買手が、親子や夫婦など特別な関係でないこと。特別な関係には、生計を一にする親族、家屋を売った後その売った家屋で同居する親族、内縁関係にある人、特殊な関係のある法人なども含まれます。
なお、「居住用財産の3,000万円特別控除」の適用を受けることだけを目的として入居した家屋、居住用家屋を新築する期間中だけ仮住まいとして使った家屋、その他一時的な目的で入居したと認められる家屋、別荘などのように主として趣味、娯楽または保養のために所有する家屋については、適用外となりますのでご注意ください。
「居住用財産の3,000万円特別控除」の詳細については、国税庁のホームページでご確認ください。
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