マイホーム売却時に、ハウスクリーニングは必要ですか？という質問をされることがあります。
一般的に、賃貸住宅では退去時に「原状回復」と言って、賃借人は借りた時の状態に戻して返却する義務があるため、ハウスクリーニングを求められることがあります。
一方、持ち家の売却の場合には賃貸の時と同じような義務はありません。契約書上ハウスクリーニングを明記している場合を除いて、ハウスクリーニングは必須ではありません。
しかし、物件内覧時には、ハウスクリーニングが非常に有効となりますので、今回はそのメリットについて見ていきましょう。
物件内覧時におけるハウスクリーニングのメリット
不動産売却時にハウスクリーニングをすることは、必須ではありませんが、おすすめです。ハウスクリーニングをすることで、以下のようなメリットがあります。
購入検討者の印象を良くする
不動産売却時には、内覧が重要なポイントです。内覧では、購入検討者が実際に物件を見て、住みたいかどうかを判断します。そのときに、物件がきれいに掃除されていると、清潔感や快適さを感じやすくなりますが、逆に、物件が汚れていたり、生活感が残っていたりすると、不快感や不安感を抱かせてしまうことになります。ハウスクリーニングをすることで、購入検討者に好印象を与えることが重要と考えられます。
値引き交渉の要因を減らす
不動産売却時には、値引き交渉が発生することもあります。値引き交渉は、購入検討者が物件の欠点や問題点を指摘して、売主に値下げを求めるものです。物件の汚れや傷みは、値引き交渉の材料になりやすく、特に水回りやエアコンなどは、汚れが目立ち、掃除が大変な場所であるため、注意が必要です。ハウスクリーニングをすることで、物件の汚れや傷みを最小限に抑えることができ、結果として、値引き交渉の要因を減らすことができます。
早期売却の可能性を高める
不動産売却時には、早期売却が望ましいと考えられます。早期売却によって、維持費や税金などの出費を抑えることができるというのが大きな理由です。また、市場価格や需要が変動する前に売却できることもメリットとなります。早期売却するためには、購入検討者が多くなることが重要です。
ハウスクリーニングをすることで、物件の魅力が高まり、結果として、購入検討者が増えたり、購入意欲が高まったりする可能性が期待されます。
査定価格にプラスの影響を与える
不動産売却時には、査定価格も重要なポイントです。査定価格は、不動産会社が物件の現状や周辺環境などを考慮して算出するものです。築年数がある程度経過している物件では、リフォームが前提となるため、ハウスクリーニングの有無によって査定価格が大きく変動することはありません。しかしながら、築浅物件の場合は、室内状況も加点要素にはなるため、ハウスクリーニング済みであれば、印象も良くなると考えられます。
ハウスクリーニングするべき場所
家の中で汚れが目立ちやすい場所の代表格は、キッチンやお風呂などの水回りです。
- キッチンはレンジフードの油汚れ、ガスコンロや魚焼きグリルの焦げ付き、シンクや蛇口周りの水垢など。
- お風呂、洗面所、トイレはカビや水垢やきばみなど。
普段のこまめに掃除していたとしても、では行き届かない場所は思い切ってプロに任せた方が綺麗になります。一般居室よりも水回りが綺麗な方が印象が良くなるので、是非とも優先的にチェックしたいところです。
床や天井も面積が広い部分なので、視界に入りやすくなります。天井は普段あまり手入れをしない場所、かつ高所なので怪我をしないためにもプロに任せた方が良いでしょう。
ペットを飼っている家庭では、クロスが傷だらけというケースが多くあります。飼い主にとっては気にならない「臭い」の問題もありますので、客観的な意見を聞いてみるのがおすすめです。
ハウスクリーニングの相場
実際にハウスクリーニングを依頼すると、どのくらい費用が掛かるのでしょうか。大体の相場は次のような価格となります。
- キッチン、レンジフード:各10,000〜20,000円程度
- バスルーム:10,000〜20,000円程度
- トイレ:6,000〜10,000円程度
- 洗面所:6,000〜10,000円
- クロスの張替え:800円〜1,000円程度（1㎡あたり、クロスの種類による）
- フロアクリーニング、ワックスがけ:10,000〜15,000円（6畳、床の種類による）
ハウスクリーニングも業者によって価格や付帯サービスに差があります。必ず数社に見積もりを取り、比較検索しましょう。
なお、ハウスクリーニングにかけた費用が売買代金に上乗せ出来るわけではないので、何をどこまでやるかについても検討が必要です。
また、業者によっては作業車を停める駐車場代金が必要な場合があります。ハウスクリーニング代金以外に掛かるお金がないかも、確認しましょう。
ハウスクリーニングが必要ないケース
ここまでは少しでもスムーズにマイホームを売却するために、ハウスクリーニングをおすすめしてきました。
しかし、ハウスクリーニングが必要でないケースもあります。
それは、築年数30年前後の古い物件の場合です。
築年が相当な物件の場合は、手入れをしなくてはならない箇所が多くなるので費用が嵩んでしまう問題があります。さらに、買主が購入後に思い通りにリフォームやリノベーションをしたいという希望を持っていることが多いため、ハウスクリーニングまでする必要がありません。
売却前にリフォームとなると数百万円の出費になりますが、ハウスクリーニングであれば数万円で済み、スムーズな売却活動に効果があります。まずは見積もりをとってみましょう。
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