不動産は売却時期やタイミングで値段や税金が変わる!?不動産売却の時期とタイミングについて

不動産トピックス

不動産は売り出す時期によって、売却スピードや売却価格が大きく変わってくるという話を聞いたことはありませんか?特別な事情ですぐに売却しなければならない方以外は、早期売却・高値売却が狙える時期に合わせることが得策になりますので、具体的な売却時期について見ていきましょう。

また、物件の所有期間によって税金が大きく変わってきますので、売却のタイミングについて注意点をまとめています。ご留意いただければと思います。

不動産流通マーケットが最も活発に動く2月から4月

2月から4月にかけては、全国的に不動産流通マーケットが活発になる時期です。4月の年度替わりに合わせて多くの会社で人事異動があり、このくらいの時期から転居する人が増えるためと考えられます。人が動く時期は、不動産の需要が大きく高まるため、不動産売却に向いている時期ということができます。

これは、中古物件だけの話ではなく、新築一戸建てや新築マンションの市場においても同じで、毎年1月から3月末までの間に竣工する物件が数多く見られます。3月末の決算前に売り切りたいディベロッパーにとっては勝負の時期であり、売れ行きの芳しくない物件であれば大幅な値引きが期待できる時期でもあります。

このように、2月から4月にかけての時期は、年間を通じて最も不動産取引が活発に行われるため、マイホーム売却を検討している方もこのタイミングに合わせることがおすすめです。

実際に売り出すまでには、物件査定や売却を依頼する不動産会社の選定といったステップがありますので、ある程度時間の余裕をもって進めていきたいところです。不動産流通マーケットが最も活発になる2月から3月に成約するためには、前年12月頃から不動産会社に査定を依頼し、売却に向けた準備を始めるのが良いと思われます。

秋の異動シーズンにあたる9月から10月

9月から10月にかけては秋の人事異動シーズンにあたり、不動産需要が高まる時期と言われています。残暑が終わって気候も良くなり物件探しに最適な時期でもあるため、多くの不動産会社が「マイホーム購入キャンペーン」を開催するなど、不動産流通マーケットが活発になってきます。

2月から4月の時期に売却できなかった場合は、この9月から10月の時期に照準を合わせた売却活動がおすすめです。真夏の暑い時期に物件査定や不動産会社の選定を行うのも大変なので、6月頃から準備を始めるといいのではないでしょうか。

どちらかの時期に売却活動をスタートするにしても、その準備は3ヵ月程度前からスタートすることをおすすめいたします。物件査定や依頼する不動産会社の選定、場合によっては軽微なリフォームや補修工事を行う必要が出てくるかもしれません。いずれにしても、余裕をもって進めることが不動産売却成功のカギになります。

売却のタイミングによって税金が変わる

不動産を売却すると、売却代金から不動産の「取得費」と売却するときにかかった「譲渡費用」を差し引いた「譲渡所得(売却益)」に所得税や住民税がかかってきます。

不動産の所有期間によって課税譲渡所得に対する税率が異なります。売却のタイミングによっては支払う税金が大きく変わってきますので、十分に注意しましょう。

>不動産の所有期間が5年以下の場合「短期譲渡所得」
所得税   30.63%※  住民税 9%              合計 39.63%

>不動産の所有期間が5年を超える場合「長期譲渡所得」
所得税   15.315%※  住民税 5%            合計 20.315%

※2013年から2037年までは、上記の他に復興特別所得税(基準所得税額×2.1%)が課されます。

ここでご注意いただきたいのは、所有期間の計算方法が、単純に購入した日から5年間を経過した日で判断されるわけではないということです。『売却した年の1月1日現在で所有期間5年を超えている』ことが求められるため、実際には所有した期間よりも短くなることを覚えておきましょう。

例えば、2015年4月1日に取得し、2020年8月1日に売却した場合、実際の所有期間は5年4カ月となりますが、売却した2020年の1月1日現在では4年9ヵ月しか経過していないため、税率の高い「短期譲渡所得」になってしまいます。2021年1月1日以降に売却すれば、税率の低い「長期譲渡所得」になりますので、売却のタイミングについては注意が必要です。

また、居住用財産の売却・買換にあたって譲渡損失が出た場合にも、「特定居住用財産の譲渡損失の損益通算・繰越控除の特例」や「居住用財産の買換えの場合の譲渡損失の損益通算・繰越控除の特例」といった制度があります。

これらの特例についても、所有期間が5年を超えていることが条件となるため、所有期間が5年を超える時期まで待ってから、売却するほうが税金の負担が軽減されることになります。

マイホームの売却は、「1月1日現在で5年を経過してからが有利」と覚えておきましょう。

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